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20030330
布団
ぽかぽかと暖かい午後。私は近所の団地の前を歩いていた。
道の真ん中に布団が敷いてある。
これ、なにかな。
「あー君、その布団に触ったら危ないよ!」
「え?」
「それ、タイムマシンだから。触ったらタイムスリップしちゃうよ」
「はぁ……」
どう見ても普通の布団だ。かなり古い布団らしく所々糸がほつれている。
ひょっとしたらこの布団が過去からタイムスリップしてきた、とか言うつもりかもしれない。
「君、信じてないでしょ」
「えぇ、いや、まぁ」
「じゃ、俺がタイムスリップしてみるから。ちょっと離れて見ててくれよ」
そういうと男は靴を脱いで、布団の中に入った。枕に頭を置いて、掛け布団を肩まで掛けた。男はそのままぴくりとも動かない。いつタイムスリップするんだろう。
……何も起こらないんですけど。
「あのー?」男に声を掛けて見る。「タイムスリップしないんですか?」
「……」
「もしもしー」
「…………」
起こすのも悪いので私はスーパーに向かった。
――
スーパーからの帰り道、布団の中にはお爺さんが寝ていた。
私はお爺さんにタイムスリップしたのか聞けなかった。